自宅を売って新しい物件を買う。
つまり買い替えをする場合に売却と購入を
同時進行するのはとても効率が良いように思われますが、
実際に可能なのでしょうか。
結論から言うと、同時進行はかなり難しいものです。
それは、売却と購入のそれぞれの
プロセスを整理するとおわかりいただけると思います。
【売却のプロセス】
・複数の不動産会社に自宅の査定を依頼する
・不動産会社を決めて媒介契約を結ぶ
・査定価格を参考にして売り出し価格を決める
・購入検討社に内見をしてもらい、価格交渉を行う
・売買契約を交わして手付金を受け取る
・残代金を受け取り、登記手続きをして物件を引き渡す
【購入のプロセス】
・条件や希望に合う物件を探す
・内見を行い、価格や引き渡し時期の交渉を行う
・金融機関に住宅ローンの事前審査を申し込む
・仲介物件の場合、一般的にはこのタイミングで不動産会社と媒介契約を結ぶ
・売買契約を交わしたら、住宅ローンの本審査を申し込む
・住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)を結ぶ
・売主に代金を支払い、物件の引き渡しを終え、登記手続きを行う
売却、購入のプロセスを
ざっとあげただけでも、これだけあります。
これらを同時に行うとなると、
手続きだけでも忙殺されますし、
何よりタイミングを合わせることが非常に難しくなります。
やはり、買い替えの場合、
可能であれば購入または売却の
どちらかを先に行うのが良いと言えるでしょう。
◆売り先行と買い先行
買い替えの場合は、売却と購入の
どちらかを先に進めていくケースが一般的になります。
そこで、先に売却をしてから購入を行うことを「売り先行」、
先に購入を行ってから売却を行うことを「買い先行」
などと呼ぶことがあります。
◆売り先行と買い先行のどちらがお得?
どちらがお得かは、
それぞれの条件などによって変わってきますが、
不動産相場の動きに着目すると良いかもしれません。
理論的には、相場が上昇基調であれば、
買い先行にすることで
「安いうちに物件を買い、高くなってから売れる」
という可能性があります。逆に相場が下落基調であれば、
「高いうちに物件を売り、安くなってから買う」
という可能性があります。
ただ、短期間で相場が上下することはあまりありません。
また、売却と購入の間に
何年ものタイムラグが生じることはほとんどなく、
売却と購入のタイミングは比較的短期間であることが一般的です。
買いたい物件が見つかるタイミングと、
買ってくれる買主が現れるタイミングのみを考慮すれば良く、
「高く売って、安く買おう」などとは考えないほうが賢明でしょう。